こんにちは、抹茶大好きRina(@matcha_trip)です☆
今回の記事では、お茶の雑学として緑茶とウーロン茶、紅茶の違いついてご紹介していきます。
※お茶の分類については、考え方がいくつかありますが、当記事では日本茶インストラクター協会が提示する考え方を元にご紹介しています。
目次
緑茶とウーロン茶、紅茶の原料は同じ!
お茶として広く親しまれている緑茶、ウーロン茶、紅茶。
それぞれ違った美味しさのある3つのお茶ですが、実は同じ原料から作られています。
紅茶や緑茶、それぞれに適した品種はありますが、同じ品種でそれぞれのお茶を作ることができます。
ツバキ科ツバキ属のチャノキ(学名:Camellia sinensis)という植物の葉を加工して、3つのお茶は作られます。
緑茶、烏龍茶、紅茶の違いは発酵(酸化)度!
原料となる植物が同じ3つのお茶ですが、その違いは収穫後の発酵具合が関係しています。
緑茶は全く発酵させない『不発酵茶』、烏龍茶は半分だけ発酵させた『半発酵茶』、紅茶は完全に発酵させた『発酵茶』と呼ばれます。
ここでは『発酵』が通常と異なる意味で使われているに注意が必要です。
通常、発酵とは以下のような意味で使われています。
はっこう【発酵・醱酵】
Oxford Languagesより引用
酵母・細菌などのもつ酵素によって、糖類のような有機化合物が分解して、アルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生ずる現象。
『お茶の発酵』と呼ばれる現象は、菌によるものではなく、ポリフェノールオキシダーゼという酵素によるもので、正確には『酸化』と呼ばれる化学反応です。
通常、酸化とは以下のような意味で使われています。
さんか【酸化】
Oxford Languagesより引用
ある物質が酸素と化合すること。
緑茶、烏龍茶、紅茶の違いは、この酸化具合の差から生まれています。
お茶の酸化発酵に関わるポリフェノールオキシダーゼ
お茶の葉にはポリフェノールオキシダーゼと呼ばれる酸化酵素が存在しており、タンニンやカテキンをはじめとするポリフェノールを酸化させる働きがあります。
お茶の葉の断面を図に表すと、下のようになります。
ポリフェノールオキシダーゼは表皮、カテキンは柵状組織に分布しています。
ポリフェノールオキシダーゼとポリフェノール類は、別々の場所に分布していますが、葉が摘み取られ、揉まれたり、萎れさせたりすることで混ざり合い、酸化が進みます。
この時に生まれるテアルビジンやテアフラビンによって葉は茶色く変化します。
烏龍茶や紅茶の茶色は、ポリフェノールの酸化によって起こった化学反応によるものなのです。
紅茶や烏龍茶の香りに関わる萎凋(いちょう)工程
紅茶や烏龍茶の華やかなフローラルな香りには、『萎凋』という製造工程が関わっています。
これは緑茶では行われませんが、紅茶や烏龍茶ではとても重要です。
萎凋とは、収穫した茶葉を風通しの良い暗所で放置して水分を飛ばし、僅かに萎れさせることで内部の酵素による微発酵を促す工程のことです。
烏龍茶や紅茶では、茶葉を揉んだり釜で炒ったりする前に萎凋を行います。
萎凋は香りを生み出すためにとても重要で、ダージリンに代表される豊かな香りもこの工程によって出ると言われています。
萎凋した茶葉の花や果実を思わせる香りは、萎凋香(いちょうか)と呼ばれます。
酸化発酵具合に違いが出るのはなぜ?
茶葉に等しく含まれているポリフェノールオキシダーゼですが、3つのお茶で酸化発酵具合に違いがでるのには、それらの製造方法が関わっています。
ポリフェノールオキシダーゼは、約40度で一番働きが高まりますが、それ以上の温度下では壊れてしまい、働きを失います(不活化)。
緑茶の酸化発酵具合
緑茶は、収穫後すぐに高温で蒸すなどの加熱を行い、ポリフェノールオキシダーゼを不活化するため、酸化発酵は進まずに『不発酵茶』となります。
緑茶は収穫後迅速に茶工場に持ち込んで、加工を行わなくてはなりません。
収穫から時間が経つと、自然に萎凋が進んでしまい、緑茶らしいスッキリした香りが失われてしまいます。
茶葉に傷が入ると酸化しやすくなってしまうため、緑茶の場合には害虫から新芽を守ることもとても重要です。
烏龍茶の酸化発酵具合
烏龍茶は、収穫した茶葉を天日や室内に置いて萎凋させた後、人力やドラム状の機械で揺すり、茶葉同士が擦れあって傷が付くことにより、発酵が促進されます。
茶葉の周辺は赤褐色、中央部は緑色の半発酵状態になります。
その後、釜で高温で炒ることでポリフェノールオキシダーゼが不活化されて、酸化発酵は途中で止まり、『半発酵茶』となります。
嬉野茶のような釜炒り緑茶と烏龍茶の大きな違いは、途中で行う萎凋工程の有無です。
紅茶の酸化発酵具合
紅茶では、蒸し作業や釜炒り作業などの熱を加える工程をせず、一晩ほど風を当てて萎凋を行い、水分を抜きます。
茶葉の水分を半分程度減らした段階で、『揉捻』と呼ばれる揉み込みとダマになった茶葉を解く作業を繰り返します。
この作業によりポリフェノールオキシダーゼとカテキンが混ざり茶葉が真っ赤に発酵し『完全発酵茶』となります。
その後、発酵しすぎて香りが無くなってしまわないように、乾燥機の熱でポリフェノールオキシダーゼを不活化させ、発酵を止めます。
酸化発酵具合で生まれる3つのお茶の違い
以上のように収穫後の処理の仕方によって、緑茶と烏龍茶、紅茶の違いが生まれます。
緑茶は全く発酵させない不発酵茶、烏龍茶は半分だけ発酵させた半発酵茶、紅茶は完全に発酵させた発酵茶です。
不発酵茶の緑茶は、酸化発酵させないように、速やかに蒸して酵素を失活させることが大事です。
緑茶は太陽の光があたると、すぐに酸化発酵してしまうため、日陰に持って行ったり、すぐに茶工場に運んだりしなければならないため、とても神経を使います。
発酵茶は発酵による香りを楽しむ茶であり、緑茶は茶葉本来の味や香りを楽しむ茶といえるでしょう。
明日から雑学を使ってみてね!
味わいも香りも全く違う、緑茶、紅茶、烏龍茶。
3つのお茶の原材料が実は同じものだったなんて、なんだか不思議ではないですか?
次回お茶を飲むときには、この雑学を思い出しながら、ちょっと周りの方に自慢してみてください。
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